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2025年

深刻な渋滞…松本南部の将来に影 まつもと道路交通考・第5部③ 19号の混雑 周辺に波及

2025/08/28
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 塩尻市から国道19号を松本市に入ると4車線から2車線に減少する。知らずに左側の車線を走ってきた車が、急いで右側に入ることもある。
 市境から500メートルほど北へ進むと村井交差点がある。約400メートル西のJR篠ノ井線村井駅は昨年10月26日、新駅舎がオープンした。交差点の周辺には、大型商業施設や病院があり、大規模な宅地開発も進む。交通量は年々多くなっている。
 駅前通りの事業者らでつくる村井町商工親和会は新駅舎開業に伴い、昨年10月末にまちづくりの勉強会を始めた。地域の再生にとって村井交差点が大きなネックになっているとする意見が相次いだ。
 国道19号と交差する東西の県道側には右折レーンはなく、渋滞の原因になっているものの、県松本建設事務所は「国道の拡幅に合わせて改良する」考えを示した。参加者からは「国道拡幅を待っていたら改良できない」と憤る声が上がった。今年3月の勉強会では松本市の柳澤均・建設総務課長が村井交差点を局部的に改良できないか、国や県と検討したい意向を示した。親和会の上島昌会長(78)は「交通事故も頻繁に起きている。一日も早く実現してほしい」と願う。
 村井交差点からさらに北の村井下町北交差点は、西の県道松本環状高家線、東の市道とも道幅が広く右折レーンも整備されているが、国道の渋滞で東西の道路も渋滞する悪循環が起きている。
 同様のケースはJR平田駅周辺や南松本交差点、高宮交差点でも見られる。19号とほぼ平行して流れる田川や奈良井川の堤防道路に回り道をする車もあるが、ここでも朝夕などは渋滞が発生する。
 村井交差点の東側では、民間企業が手がける大型の分譲地(116区画)の販売が昨年10月に始まっている。隣接する塩尻市広丘吉田地区の19号沿いでは民間による賃貸マンション(117戸)の建設計画が明らかになっている。松本市内の不動産業者によると「一帯は若年層にも人気のエリアで需要がある」という。
 周辺の人口増加に伴い、村井交差点をはじめとする国道19号の役割は増していくとみられる。渋滞対策はまちづくりにも関わる大きな課題となっている。

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