2025.8.26 みすず野
2025/08/26
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ボールペンは、重要で公式的な書類を書くときには、なんとなく敬遠した。そういう場合は万年筆だと、一般的に考えられていたと思う。公式文書に普通に使われるようになったのは「司法試験に使用が許されることになった一九八〇年代になってのことだ」(『20世紀をつくった日用品』柏木博著、晶文社)という◆筆記具としては最も一般的だ。値段も安い。同書によると、原型が発明されたのは米国で、明治21(1888)年。普及するのは第二次世界大戦後で「戦後、売り出されたボールペンは、アメリカではまさに戦後、つまり戦争が終わったことを象徴する筆記具だった」◆特徴は均質な太さの文字が書け「カーボン紙を何枚も重ねて書類を書くことに向いている筆記具として普及」した。戦後の初期的なオフィスの合理化につながったと◆取材のメモはボールペンで取ってきた。水性ボールペンを知り、筆圧が軽くても書ける点が気に入って使った。失敗したのは屋外での取材。雨にぬれるとにじんで読めなくなった。いろいろ試したが安価な製品が意外と使いやすい。どこでも売っているような一本。なくしても諦めがつく。