2025.8.24 みすず野
2025/08/24
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松本市に私設美術館がある、画家・須藤康花さん(1978~2009)の生涯を描く映画が製作されているという。幼いころからの闘病、母親の病死、母親の死を自分のせいだと思い込み15歳での自殺企図、その後の母親へのしょく罪と生きる糧とした絵画制作…。生涯は短くも、密度が濃い◆製作を計画したのは、京都府舞鶴市の僧侶・松浦孝博さん。康花さんの絵画や詩、生き方に感銘を受け、映画好きの仲間数人と自主製作に取り組み始めた。昨年11月に病気で他界した康花さんの父親の正親さんに、ぎりぎりのタイミングで取材できた。天国の正親さんに良い映画を届けたい思いが、製作に妥協を許さない発奮材料になっている◆康花さんは画才に恵まれ、境遇をなぞるかのような生死を題材にした佳作を多く残した。受賞作や入選作も少なくない。上手だけでは言い切れない、胸が詰まり、ざわつくような作品も多い◆映画には、康花さんの絵もふんだんに登場すると聞いた。絵を描く場面をどう表現するのか、康花さんの心の葛藤をどう具現化するのか。興味は、尽きない。10月に松本市で開く予定という上映会が待ち遠しい。