交通量増 拡幅望む声も「まつもと道路交通考」改良ファイル⑫ 新設市道南の市道(松本市島立)
2025/08/22
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松本市が島立の奈良井川左岸近くに新設した、南北に延びる市道1040メートル区間が令和5年10月に開通したことで、新たな課題が浮かび上がっている。新設市道の南側の狭い市道を通る車が増え、「拡幅してほしい」という声が聞かれる。
新設市道は両島橋―月見橋間の堤防道路に平行するようにあった狭い市道を拡幅する形で建設された。これにより左岸堤防道路を北上する車の渋滞が大幅に改善されるなど、さまざまなバイパス効果を発揮している。
市は車が新設市道を南下してきた場合、南端の交差点を左折して月見橋を渡らせ、2車線化を進めている奈良井川右岸堤防道路へ誘導する構想で、それに合わせて月見橋の架け替えも進めている。ところが、実際には多くの車が新設市道の南端の交差点を直進し、月見橋―島立橋間に平行する狭い市道に流入するようになってしまっている。
この約450メートルの市道は幅が約4メートルしかなく、大型車同士だとすれ違いが困難だ。南下して島立橋の西側にある交差点に達すると一時停止の規制があるが、見通しが悪く、進むタイミングがつかみづらい。
ドライバーからすると、新設市道からクランク状に月見橋を経て右岸堤防道路に出るより、直進した方が便利だ。通過する信号機のある交差点も少なくて済む。
市は想定外の車の流れとし、建設総務課の柳澤均課長は「(狭い市道の)拡幅の要望が多ければ検討する必要が出てくるかもしれない」と話す。ただ、右岸堤防道路との二重投資になるため、難しい判断になりそうだ。