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2025年

2025.8.21 みすず野

2025/08/21
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 「手のひらを太陽に」という歌は、小学校の授業で習った。歌詞に「ミミズだってオケラだってアメンボだって」とあり、それがみんな友達だという。変な歌だなと思ったことを覚えている◆NHK連続テレビ小説「あんぱん」で、やなせたかしさんをモデルにした漫画家が作曲家の依頼で歌詞を書いたのがこの歌。「いせたくや」名で登場しているいずみたくさんが作曲した。女性歌手がコンサートで歌えるようにと作ったが大きな反響はなし。それがNHK「みんなの歌」で取り上げられると「急に大勢の人たちにうたわれだした。それは、アッというまのできごとだった」(『体験的音楽論』大月書店)という◆いずみさんは「子供の歌を、子供のための歌として迎合的に作ってはいけない」といい「大人が、自分の子供のころを思い出して作る歌が一番危険である」と記す。「手のひらを太陽に」は大人の歌として作られ、それを大人も子供も歌っているところに意味があるのだと◆子供の音楽の感受性は、大人が考えているより数倍進んでいるという指摘にうなずく。子供は大人が小さくなった人ではないと、ここでも教えられる。

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