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2025年

2025.8.16 みすず野

2025/08/16
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 夏の青空と言えば入道雲が思い浮かぶ。『空の図鑑』(KADOKAWA)によると、雲頂の高さは10~15キロに達する。その高さが雲や降水が発生し得る限界で、それより高くは成長できないため、くびれを作って横に広がっていくそうだ◆正式名は積乱雲で雲粒が詰まっていて、水分量も多いため激しい雨をもたらす。『空の図鑑』に、10~30分の短時間で発達するため、急な雷雨に警戒したいと載る。加えて、突風やひょうを伴うこともあるとし、注意を呼び掛ける◆俳句を詠む人には、夏の季語「雲の峰」でなじみがあるだろう。松尾芭蕉は山形県を旅して「雲の峰幾つ崩れて月の山」を得た。『おくのほそ道 芭蕉・蕪村・一茶名句集』に「昼間立っていた高い雲の峰が、いくつ崩れまた立って、この夕月の月山になったものか」と意訳が載る。夏の雲と秋の月が登場し、移ろう季節の情趣が漂う◆まだ当分の間、入道雲が幅を利かせそうだが、お盆もすぎて、空の様相も変わってくるだろう。温暖化で、残暑と呼ぶには余りある厳しい暑さが続く。厳しい暑さが続く中、いわし雲を見つければ、秋の気配に気持ちがちょっぴり和む。

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