2025.7.31 みすず野
2025/07/31
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「私が松本市に住んでいた頃、季節に関係なく日没後には近所の裏山へ分け入り、そこにいる様々な生き物を観察するという習慣があった」と、昆虫学者の小松貴さんは『昆虫学者はやめられない』(新潮文庫)でいう。信州大学に入学した平成13(2001)年から26年まで松本で過ごした◆「長野で暮らした13年の間に、私は大学の裏手の一見して凡庸な雑木林の山で、たくさんの素敵な虫たちに出会ったのだった」という文章を目にするとうれしくなる。中学生なら十分理解できる内容だ◆小松さんは自らが虫マニア、虫屋などと呼ばれる一員であるとした上で「日本人ならば誰でも幼い頃、夏休みに虫採り網片手に野や山へ繰り出したことくらいはあると思う」と語る。それが成長するに従い他のことに興味が移るなどして「一人二人と『昆虫少年・少女』を卒業していく」と◆夏休みの昆虫少年・少女は虫捕りに出かけているだろうか。卒業しても、目当ての虫を見つけた感激と、捕まえるまでのどきどきは忘れない。最初は誰でも大きくて見栄えのいいカブトムシ、クワガタムシ、チョウなどを狙うとか。暑さ対策を忘れずに。