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2025年

2025.7.30 みすず野

2025/07/30
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 水田のあぜで育てる大豆をあぜ豆といって、かつてはどこの田でも見られた。農地を少しでも有効活用しようという意図だろう。秋の稲刈りのころ茶色くなった大豆を収穫した。周囲で見かけなくなってから20年以上たつだろうか。枝豆とともに秋の季語として歳時記に載る◆穂が出始めた稲と競うように、あぜ豆も空に向かって成長する時期。インターネットで検索すると、イノシシから稲を隠したり、カメムシよけにしたりするため、いまもあぜに大豆を植えている農家の取り組みがいくつか見られた◆枝豆は生育途中の大豆を収穫して食べる。あぜ豆は何も手をかけなくても収穫できたと記憶するが、なぜか畑で育てる枝豆は失敗が多かった。今年は今のところ順調で、先日2株を収穫した。まんべんなく実が入っている市販品のようにはいかないが、まあまあの出来◆「なにはなくとも、夏はえだまめ」と、絵本作家のおーなり由子さんは『ひらがな暦』(新潮社)でいう。ゆであがったら高い所から塩を振る。「湯気のたった、みどりのえだまめ。ゆでたてを食べるのが好き。指についた塩をなめつつ、ビール」。自然の恵みに感謝。

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