2025.7.23 みすず野
2025/07/23
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ヒッチハイクは、通りかかる車に向けて、親指を立てた腕を出すのが合図だ。1970年代は、若い人たちが試みた旅の方法としてその姿があちこちで見られたと記憶する◆松本市出身の紀行作家・シェルパ斉藤さんの新刊『シェルパ斉藤の還暦ヒッチハイク』が発刊されたと、先週の小紙が伝えた。今でもヒッチハイクを続けているという。さまざまな方法で旅を続けてきた斉藤さんの一つのスタイルなのだ◆米国の古いフォークソング「ホーボーズ・ララバイ」は、多くの歌手が取り上げている。「ホーボー」は米国の不況時代に、あちこち流れて働いた労働者を指す。日本語訳も複数ある。京都市の古川豪さんは昭和48(1973)年に発表したアルバムに収めた。原曲は鉄道での移動だが、トラックの旅に設定したところが真骨頂◆「町から町へとさまよいつかれ/長距離トラックのうなりが/俺らにゃ子守唄」(「ホーボーの子守唄」)と歌った。ヒッチハイクで乗せてもらったら、眠らないというのが鉄則だったと古川さんから聞いた。松本インター手前で希望する行き先を書いた紙を掲げる若者を見る季節。この旅は夏によく似合う。