2025.7.20 みすず野
2025/07/20
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松本市に「普選実現運動発祥の地記念像」があることを、もっと誇りに持ちたい。普通選挙法が公布されて、今年でちょうど100年。一部の富裕層にしかなかった選挙権を、民主主義の考えに基づき、誰もが持てるように松本ゆかりの3人が粘り強く活動した◆記念像の黒い柱3本は、その3人を示している。普選の父と称される中村太八郎。太八郎と共に松本の緑町に「普通選挙期成同盟会」の看板を掲げて「普通選挙を請願する趣意」を発表した木下尚江。帝国議会に日本初の普通選挙法案を提出した4議員のうちの一人、降旗元太郎。看板を掲げて28年、法案を提出して23年もの長い歳月が、普選の実現までにかかった◆風景に溶け込み、市中央図書館入り口近くに立つ記念像が「目に入っていなかった」という方もいるだろう。あらためて目を凝らしてほしい。苦労と偉業の価値がよく示された、大きく立派なモニュメントだ◆きょうは参院選の投開票日。発祥の地にふさわしい投票率となるように願う。そうでないと、地域の先人の苦労も報われない。泉下で渋い表情をしているだろう。大きな節目の年である。ほほ笑ませたい。