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2025年

2025.6.16 みすず野

2025/06/16
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 全国和菓子協会はきょうを「和菓子の日」としている。仁明天皇が嘉祥元(848)年のきょう、16の数にちなんだ菓子、餅などを神前に供えて、疫病をよけ健康招福を祈ったという故事に基づき制定したとホームページにある。昭和54(1979)年だ◆NHKの大河ドラマに登場している狂歌や随筆などを数多く著した江戸時代の文人・大田南畝(1749~1823)は、幕臣でもあり、仕事ぶりは優秀だったとされる。長崎奉行所詰として1年間の赴任を命じられる。南畝56歳◆オランダ船や中国船でにぎわい、多忙を極めるが筆まめぶりはここでも変わらず、異郷での出来事を3冊にまとめている。端午の節句に食べるちまきを「竹乃皮ニテ三角ニツヽムモアリ」と記して、その絵も残る(『和菓子を愛した人たち』虎屋文庫、山川出版社)。江戸ではかしわ餅を用意する家がほとんどだったという◆オランダ船では、砂糖入りのコーヒーをふるまわれた。これはさすがに口に合わなかったようで「焦げくさくして」などと書いている。これからの季節、よく冷えた水ようかんがおいしい。表面の輝きが涼しさを運んでくるようだ。

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