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2025年

2025.6.11 みすず野

2025/06/11
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 丘の斜面に広がる地元のアジサイ公園でせん定作業をした。50年以上前に植えたのが始まり。かつては老人クラブが手入れをした。今年からボランティアを募る方式になり、大方の予想を上回る60人が参加した◆800株あるというが、その1株ずつ、枯れた枝を取り除き、葉が出始めた枝の葉より先端の枯れた部分を切り詰めた。気をつけているつもりが、葉が出ている枝を誤って元から切ってしまう。思わず周囲を見るが、誰もが同じように失敗しているとわかりほっとする。斜面で足場が悪く、3時間かかった◆「薄暗い庭の片隅に、紫陽花が花も葉もぐしょ濡れに濡れそぼつて立つてゐるのが見えます。幽界の夢でも見てゐるやうな、青白い微笑を眼尻にもってゐるこの花は、梅雨時になくてはならないものの一つです」と、詩人、随筆家の薄田泣菫(1877~1945)は書いた(『日本の名随筆・水』作品社)◆昨日梅雨入り。アジサイは、その土地の土壌によって色が異なるという。絞り染めのような淡い色の花もある。公園で咲き始めるのは今月下旬頃か。作業以後、アジサイを見かけると、手入れの様子につい目が行く。

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