2025.6.3 みすず野
2025/06/03
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先週末、地元の小学校で運動会が開かれていた。少子化がどれほど進んでいるかは運動会を見るとよくわかる。学年ごとのかけっこはあっという間に終わる。1クラス42人だった昔の運動会を想像していると驚く。校庭を取り囲んで声援を送る父母や祖父母の方が多い◆子どもの写真を撮ろうとカメラを手にしている。動きが素早いから写真に収めるのは案外難しい。写真家の幡野広志さんは「子どもを撮る場合はよっぽど技術が高い撮影者でないかぎり、親が撮ったほうがぼくはいいと思います」(『ポケットにカメラをいれて』ポプラ社)とアドバイスする◆「なぜなら子どもにとって親が撮ってくれたというだけで、その写真に価値が生まれるからです」という理由。「10年後に家族で見られる写真を撮るのっていいですよ。家族の写真は家族で撮ったほうがいいですよ」とも◆写真には撮影者の感情が込められていて、見返すと鮮明に当時の感情を思い出すといい「人は好きなものだけを撮る」と説く。スマホに保存してある写真を見ればわかると。あの運動会で撮られた写真はそれぞれの家族が見ただろう。きっと大切な思い出になる。