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2025年

複雑な構造で見通し悪く 「まつもと道路交通考」改良ファイル⑦ 国道153号の下大門交差点(塩尻市)

2025/05/30
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 塩尻市大門四番町の国道153号下大門交差点は、国道のカーブの西側に二つの県道が接続する変形交差点となっている。国道のカーブは見通しが悪い上、上り線の国道から県道への右折レーンもなく、非常に危険で渋滞の発生箇所にもなっている。
 国道を南(伊那方面)に向かう上り線だと、左カーブの手前から県道塩尻停車場線(塩尻駅方面)へ、カーブの途中から県道床尾大門線(平出・宗賀方面)へと、2方向に右折できる構造になっている=地図。右折車が待機できるよう車道の幅は広げてあるものの、右折待機車が3台になると後続の直進車が左側方を通過できなくなる。
 さらに、カーブ沿いには民家があって見通しが悪く、右折車がタイミングを見誤って発進し、対向車が急ブレーキをかける場面が頻発している。特に、県道塩尻停車場線に右折する際には対向車が直前まで見えないため非常に危険だ。
 逆に下り線では、国道の直進車の大半が右カーブで本来不必要な右折のウインカーを出し、見た目は直進でも実際は左折の県道塩尻停車場線に進む車の大半がウインカーを出さないあべこべ現象が起きている。ただ、県道塩尻停車場線へ正しく左折のウインカーを出して進んだ場合、手前の県道床尾大門線に左折すると勘違いされる恐れがある。このため県警交通規制課は「他の車両の動向に十分注意して運転してほしい」と呼び掛ける。
 国道の上り停止線と下り停止線の距離が75メートルほどもあることも、見通しの悪さに拍車をかけ、右折用の時差式信号がいつ機能しているのか全く分からない原因になっている。
 国道153号は県松本建設事務所の管理で、下大門交差点については塩尻市から改良の要望が出ているが、事業化には至っていない。ドライバーからは対策を求める声が多くあり、早期の実現が望まれる。